自作PC(パソコン)のPCケース

PCケースの概要

パソコンのマザーボードやそれに付随する部品を格納する箱型のケースです。

PCケースは大型の「フルタワー」、中型の「ミドルタワー」、小型の「ミニタワー・スリム・キューブ型」の3種類に大別することができます。

本体サイズが大きいほど拡張性が高くなりますが、重量も増えてしまうため、必要十分なパーツ搭載数を考えて本体サイズやデザインを選びましょう。

また、PCケースのサイズによって、マザーボードやCPUクーラー、電源ユニットのサイズも変わってきますので注意が必要です。

ちなみにPCケースは以下のような部品(パーツ)です。

 

サイズごとの特徴

フルタワー

高い拡張性と冷却性を持つ大型PCケースです。

処理能力が求められるゲーミングPCやワークステーションに採用されています。

広い設置スペースが必要ですのでその点を確認する必要があります。

ミドルタワー

もっとも一般的な定番のPCケースです。

製品数も豊富で、比較的コンパクトでも十分な拡張性を備えたモデルも多く存在します。

パーツ交換作業もしやすく、迷った際は、これを選んでおけば安心でしょう。

ミニタワー・スリム・キューブ型

省スペースの小型PCケースです。

小さくて軽いため、手軽に設置や移動ができますが、パーツ搭載可能数が少ないため、拡張性は低いといえます。

ATXマザーボードは搭載できませんので注意が必要です。

小型ケースは内部空間が狭いため手を入れにくく、パーツ増設作業やメンテナンスが難しくなります。

パーツの着脱やメンテナンスをまめに行う予定の人は、内部空間に余裕のあるケースを選びましょう。

マザーボードのサイズ(フォームファクター)を確認する

マザーボードは、大きさとレイアウトによって規格(フォームファクター)が決められています。

マザーボードには標準的なATX、ATXを小型化したMicroATX、さらに小さいMini-ITXの3種類があり、サイズが大きいほど拡張性が豊富です。

ATX、MicroATX、Mini-ITXは、取り付けネジ位置が共通化されているので、対応するフォームファクターが大きいPCケースであれば小さいマザーボードも装着できます。

ATXマザーボード

ミドルタワーまたはフルタワーで使用できますが、ミニタワー・スリム・キューブ型には入りません。

スロット数や機能が豊富で、もっとも一般的なサイズです。

MicroATXマザーボード

ミドルタワーやフルタワーだけでなく、一部のミニタワー・スリム・キューブ型でも使用できます。

スロット数や機能は、ATXマザーボードには劣りますが、Mini-ITXマザーボードと比較すれば十分に備えています。

Mini-ITXマザーボード

ミドルタワーやフルタワーはもちろん、ほとんどの小型ケースで使用できます。

ただし、スロット数や機能は必要最低限のみに抑えられています。

ベイの種類を確認する

ベイとはHDDやSSD、光学ドライブなどを設置する場所のことです。

ベイの数が多いほど装着できる部品(パーツ)が増えますが、一方でケース本体も大型化してしまいます。

自作するPCにどのような部品(パーツ)を搭載するか、また今後の部品(パーツ)増設予定を考えベイの必要最低数を決めましょう。

2.5インチSSD/HDDを、3.5インチベイや5.25インチベイに装着するための変換キットが市販されています。

2.5インチベイ

SSDや2.5インチHDDを搭載できます。

ケースの外からは見えず、内側からしかアクセスできない「シャドウベイ」であることがほとんどです。

3.5インチベイ

デスクトップPC向けの3.5インチHDDをはじめ、カードリーダー、ファンコントローラー、フロッピーディスクドライブなどを搭載できます。

5.25インチベイ

DVDドライブやブルーレイドライブといった光学ドライブを搭載できます。

前面端子を確認する

PCケースの前面には電源ボタン(スイッチ)のほか、さまざまな端子が用意されています。

PCケース背面に比べてアクセスしやすいため、USBメモリ-、カードリーダー、外付けHDD、プリンタ、ヘッドホンなど周辺機器の着脱が手軽に行えるというメリットがあります。

USB端子

USB機器を接続するための端子です。

USB 2.0(転送速度:480Mbps)や、最大5Gbpsで通信できるUSB3.0に対応しているモデルが主流です。

ほぼすべてのPCケースに搭載されていますが、数はPCケースによって異なります。

eSATA端子

外付けHDDや外付け光学ドライブを接続するための端子です。

転送速度は最大3Gbpsで、SATAケーブルではなく専用のeSATAケーブルを使う必要があります。

ただし、SATAと互換性があるため、変換アダプターや変換ケーブルを用いればSATA製品も接続できます。

音声入出力端子

イヤホン・ヘッドホンやマイクといったオーディオ機器を接続するための端子です。

ほぼすべてのPCケースに搭載されています。

冷却性と静音性を確認する

PC(パソコン)の部品(パーツ)は熱に弱く、PCケースのの冷却性は大切です。

PCケースのサイズが大きくなると内部空間も広くなり、冷却ファンの数を増やせたり、設置位置を自由に調整できたりするため、冷却性が高まります。

小型ケースの場合、内部空間が狭く熱がたまりやすいので、ケース内のエアフロー(空気の流れ)がスムーズかどうかを確認する必要があります。

また、冷却性が高いケースほど、ファンの回転数を抑えられるため、静音性も高くなります。

低速の大径ファンを導入することにより、冷却性と静音性をより高めることもできます。

素材を確認する

PCケースはスチール製とアルミ製がほとんどです。

スチール製は安価で丈夫ですが重く、アルミ製は軽量ですが変形しやすく高価といった特徴があります。

ただ、どちらも外板が薄いと剛性が低くなり、全体にゆがみが発生してしまいます。

ゆがみは、振動音の原因となるため、必ずしも軽量=高性能とは限りません。

電源を確認する

一般的なATX規格を採用していることがほとんどですが、小型ケースでは、SFXやNLXといった特殊な規格を採用している場合もあります。

そのような場合、電源ユニットを標準で搭載していることも多いので、付属電源の有無を確認しましょう。

PCケースの主なメーカー
Thermaltake(サーマルテイク)

水冷を含む冷却パーツの老舗メーカーで、自由自在なカスタマイズが可能なPCケースや電源ユニットも取り扱っています。

RAIJINTEK

CPUクーラーやVGAクーラーなども取り扱う、自作PCパーツの中堅メーカーです。

NZXT

アメリカのPCパーツメーカーで、ベストセラーPCケースであるHシリーズを取り扱っています。

Fractal Design(フラクタルデザイン)

電源ユニット、CPUクーラーなども扱う自作PCの部品(パーツ)メーカーで、高級なPCケースを数多く取り扱っています。

私のチョイス(選択)

今回のPC(パソコン)自作では冷却性を重視し、CPUクーラーで有名なサイズ(SCYTHE)の「Scytheオリジナル 強冷却ATXミドルタワーケース「旋風」SCY-CFS3-BK」をチョイスしました。

次のページでは光学ドライブについて説明します。

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